Purvottanasana（プールヴォッターナーサナ）およびテーブルトップのポーズでは、肩の怪我を予防するために指先の向きが非常に重要です。肩関節は可動域が広いため、負荷を正しく調整しないと損傷のリスクが高まります。以下に、肩関節にかかる負荷と指先の向きの関連を医学的データに基づいて解説します。
1. 指先を足の方向（前）に向ける（一般的な指導方法）
- 効果：指先を足の方向に向け、肩関節の外旋運動（肩を外側に回す方向：肩関節のバンダ）をすることによって、肩甲骨との連動が強化され機能的な肩甲帯の動き（肩甲骨のバンダ）が促されます。このポジションでは、肩関節が安定し、肩の前面にかかる過剰なストレスを回避できます。
- 医学的根拠：肩関節を外旋することで、肩峰下のスペースが確保され、インピンジメント症候群（肩峰下で回旋筋腱板が圧迫される症状）を予防する効果があります。また、肩の前部への負担が軽減され、肩前方不安定性のリスクも低減されます。
2. 指先を横向きにする（中級者や肩に問題がある人向け）
- 効果：指先を横向きにすると肩の外旋がやや減少し、肩甲骨の安定性が向上します。特に、肩が硬い場合や柔軟性に課題がある人には適しています。しかし、体幹を床と平行にすればする程、肩が上がりやすくなり、肩甲骨の挙上とともに肩甲上腕関節のストレスが増加するので、要注意です！
- 医学的根拠：肩関節の可動域が制限されている場合、指先を横に向けると肩甲骨がより安定し、肩の負担を減らすことができます。これにより、回旋筋腱板にかかる負荷が軽減され、肩のインピンジメントを防ぎます。
3. 指先を頭の方向（後）に向ける（初心者や痛みのある方は禁忌）
- 効果：指先を頭の方向（後）に向けると、腕と体幹の連動がうまくできません。初心者や柔軟性が不足している人にとっては肩への過剰な負担となることがあります。伝統的なyogaで推奨している流派もあります。肩の可動性が高く、筋力のある上級者にはチャレンジングなバリエーションとして適していますが、怪我をしない・怪我をさせない観点から考えるとKYCではオススメは致しません。
- 医学的根拠：指先を前に向けると上腕骨が不安定となりが、肩峰下で回旋筋腱板が圧迫されやすくなり、インピンジメント症候群や肩関節前方不安定性のリスクが高まります。
推奨される指先の向き
医学的に最も安全なのは、指先を足の方向に向けることです。この姿勢では、肩から胸郭に自然に力が入り、肩甲骨と上腕骨が正しく動くため、肩への負担が軽減されます。肩に違和感がある場合や可動域に制限がある場合には、指先を横向きにする選択も安全です。
追加の予防策
- 肩甲骨の動きを改善: 肩甲骨を引き下げ、寄せる動作を強調し、肩甲骨の可動性を高めます。
- 回旋筋腱板の強化: 肩甲骨周囲の筋肉を鍛えるトレーニングを取り入れ、肩関節の安定性を向上させます。
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