大谷翔平選手が二塁へスライディング中に亜脱臼を負った際の動作とメカニズムを、スポーツ医学の観点から分析します。
亜脱臼の発生メカニズムときっかけ
大谷選手の右足は、二塁手のタッチで脛が弾かれたことで不安定となり、右足の足底面が基盤となるはずの重心が失われました。
通常、スライディングから体勢を立て直す際、足底からの反力(地面から受ける力)を利用して重心を調整し、バランスを保つボディーコントロールを行いますが、足の支えが外れることでその反力が使えなくなり、結果として重心コントロールが崩れる形になりました。
左上肢の反力による代償
右足の反力を失った大谷選手は、安定性を保つために左上肢で反力を補おうとしました。
しかし、急激な体勢変化の中で、左上肢を介して求心性の力を発揮することが求められた。
この際に生じる筋肉は遠心性収縮。
筋肉は遠心性収縮によって、上肢と体幹の求心性の運動方向からパフォーマンスコントロール試みたが、『筋肉の遠心性収縮❎上肢と体幹の求心性の運動方向』<、『手掌からの外力(地面から受ける力=摩擦)❎上肢と体幹の遠心性の運動方向』となり、左肩に大きな負担をかける結果となりました。
遠心性収縮は筋肉が伸びながら力を発揮するため、筋線維の張力が大きく、コントロールを失ったり、オーバユースやオーバーストレッチによる筋肉の損傷リスクが最も高まる収縮様式です。
力学的構造の崩れと肩関節の負荷
左肩にかかる負担は、肩関節と肩甲骨の不自然な動作方向によってさらに増加しました。
この時、左肩関節は内旋・内転・屈曲の方向に大きな力が加わり、肩甲骨も外転・挙上・上方回旋が生じていました。
本来、肩関節が安定して力を発揮するには、肩関節が外旋・内転・伸展、肩甲骨が内転・下制・下方回旋という姿勢が理想です。
しかし、この場面ではその力学的構造から逸脱しており、結果として関節の不安定性が増し、亜脱臼が引き起こされやすい状況に陥ったと考えられます。
筋連動と骨連鎖の切り替え困難
走塁中のスライディングでは、全身の筋連動と骨連鎖によってボディーコントロールが行われます。
足からの反力を2塁手によって失ったことで、手からの反力(地面から受ける力)に依存しなければならなくなりました。
しかし、これにより通常とは異なる筋肉や関節に負荷が集中しました。
全身の運動連鎖のための動力源の反力(地面から受ける力)を、足から手に切り替えをうまく行えなかった様子です。
その生じた結果、全身のボディーコントロールがうまくいかず、特に肩関節が不安定となり、亜脱臼が発生したと考えられます。
スポーツ医学的観点からの予防策
今回のような亜脱臼のリスクを軽減するためには、パフォーマンス時には常に肩周りの筋力と安定性を強化を意識することが重要です。
遠心性の外力(外乱)と求心性の内力がぶつかりあう中での筋肉の遠心性収縮によるパフォーマンスの場合は特に、全身の連鎖連鎖のバランスを保ちながら、瞬間的な体勢変化に対応できるようなトレーニングが必要とされます。
肩関節や肩甲骨の可動性と安定性を同時に高めることが、急な負荷や方向転換に対応する練習を日頃から心がける必要があります。
具体的なリハビリとトレーニングの提案
肩関節周囲の安定性向上には、肩甲骨の安定性を高めるエクササイズや肩関節の内外旋筋力を強化するトレーニングが推奨されます。
また、体幹部の筋力と柔軟性を高めることによって、スライディングのような急激な体勢変化時でも全身のバランスが崩れにくくなります。
これに加えて、体幹と上肢の連動性を意識したトレーニングを行うことで、反射的なボディーコントロールの向上が期待されます。
大谷選手の亜脱臼は、走塁中のタッチによるボディーコントロールの動力源となる反力(地面から受ける力)の基底面が足から手に不意に変更されたことによって、全身の連鎖連鎖が整わず、パフォーマンスの不安定性とそれに伴う体勢変化が原因で生じました。
スポーツ医学においては、体幹と肩の安定性を高め、反射的なボディーコントロールを養う練習を取り入れることが、ケガ予防に繋がる重要な要素とされます。
専門家の立場から見ても、今回のケースを通じてスポーツ選手の動作分析や筋骨格系の強化、柔軟性の向上がいかに重要かが再確認されます。
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